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自分勝手な気持ちだけが突っ走って、大事な人を傷付けた。終わりの合図は呆気なく、言わせたくなかった " ごめん " を、私は受け止めなくちゃいけない。
「泣き虫」
「……だっ、て」
「ちゃんと幸せになってくれないと怒るからね」
「……無理だよ、」
「無理なんて誰が決めたの」
ぐしゃぐしゃの泣き顔を見せるのも、何度目だろうか。確信を得たような鋭く放つ海人の言葉は魔法のように心に響く。
「最後くらい笑ってサヨナラしよ」
「……今までほんとにありがと」
「こちらこそ」
「……海人のことずっと応援してる」
「俺もずーっとずーっとAのこと応援してる！」
涙を浮かべながらも笑顔にしてくれたのは、いつも海人だった。最後の最後まで、海人は海人だった。
＿＿＿
そして、今日。
ついに卒業式を迎える。
校舎をくぐると３年間の思い出が蘇る。海人と出逢った教室、何度もサボった保健室、立ち入り禁止の屋上。いつも隣には海人がいた。隣を見るとニコッと笑う海人と目が合った。
感動的な式が終わり、涙を浮かべるクラスメイト。横目でチラリ。職員室には沢山の生徒たちが群がってた。探すのは、もちろん紫耀くん。いつも以上にビシっとスーツを着こなして、トレードマークだった茶髪は、いつの間にか黒く染まり、襟足まであった髪の毛は短髪に。なんでも似合っちゃうんだね。ほんと嫌になっちゃうくらい、かっこいい。だけど彼の周りを埋め尽くす輪の中に入る勇気なんて更々ない。
「…………」
「…………」
あろうことか、パッと重なる視線。あれだけ覚えた技は効力を発揮せず。お互い目を合わせたまま、時が止まったように２人の世界だった。
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minoy1106(プロフ) - Twitterの作品を読み、占ツクの記載があったので飛んできてしまいました。素敵な作品で読みながら泣いてしまいました、、（笑）こんなに素敵な作品出会ったことがありません。主様と作品に出会えてとても幸せです☺️ (2021年12月31日 0時) (
レス) id: bd62d97343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年8月22日 13時
