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" ハタチ "
２人の境界線がなくなった。大人の階段を登るとは、こういうことなんだと知った。全てが自己責任、自分の意思で、今、大好きな人と一線を超えようとしている。言わずとして、この空気を理解する能力は兼ね備えてる。
「……嫌なら拒否って」
「……嫌なわけない」
「そっか、」
優しく触れる唇が徐々に激しくなる。自然に絡まる手と手、舌が口内を行ったり来たり。紫耀くんの震える手を握り返す。この数年間、大事にされていたのだと実感した。
「……俺、緊張してる」
「……しょぉくん、」
「優しくする」
「うん」
初めてを捧げるのは紫耀くんが良かった。あの夢の続きを、見せてくれるのは紫耀くんが良かった。もう一つの夢が今、叶おうとしてる。
「……大丈夫？」
「……んっ」
「外すね、」
「うんっ」
ひとつひとつ、確かめるように問いかけるように紫耀くんはゆっくりと、私の肌に触れた。
「A、目見て？」
「やだ、……恥ずか、しい」
「なぁんで、可愛いよ」
こんなに甘々な紫耀くん初めて見た。こんな姿、もう誰にも見せたくない。独占したくて堪らなくて自ら唇を当てた。
「……ねえ、そんなのどこで覚えたの」
「……え？」
「�盒供�」
「海人とは、何も、なかった…」
「……ほんと？チューも？」
「ほんと……チューも、紫耀くんだけ」
「俺もね、Aだけ」
色っぽい空気に飲まれそうになる。一言一句が紫耀くんでいっぱいになる。
彼氏が出来たこともある。けど、そういうことは本当に初めてで。大きな膨らみに興奮を覚えた瞬間だった。
「わたしの、せい？」
「……そうだよ、もういい？」
ドクっと心臓が揺れた。徐々に奥まで進んでいくにつれ紫耀くんの表情も歪んでいく。
身体ごと抱き締められて、肌と肌が密着。背中に回る両腕、少し離れるとまたくっ付く。顔を合わせて、どちらからともなく近づく唇。
これが快感なんだ。紫耀くんを感じてるこの瞬間が幸せに満ちる。
ハタチにもなって男性経験のない私だから、ついに紫耀くんも嫌気が差したかなって心配してたら、全然違った。
こんな感覚知らない。紫耀くん、私、幸せすぎて溶けちゃいそうだよ。
初めての夜、初めての泊まり。大人になることを許された２人の時間が惜しむことなく過ぎて行く。繋がれた手を握り返すと、大好きな笑顔が迎えてくれた。
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minoy1106(プロフ) - Twitterの作品を読み、占ツクの記載があったので飛んできてしまいました。素敵な作品で読みながら泣いてしまいました、、（笑）こんなに素敵な作品出会ったことがありません。主様と作品に出会えてとても幸せです☺️ (2021年12月31日 0時) (
レス) id: bd62d97343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年8月22日 13時
