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突然の問いかけに思わずラウールの顔を見た。ラウールは頭の上で腕を組んで星空を眺めている。何も言わないでいるとラウールが続けた。
ru「いや……僕『cupid』として生まれてるからわかんないんだよね。ご飯ってどんな味なのかなとか、学校ってどんなところなのかなとか、家族ってどういう感じなのかなとか……」
fk「え、家族っていないの?」
ru「うん。そういう概念がない。人間みたいな生まれ方するわけでもないし」
そういうラウールの顔はどこか寂しく見える。
＿＿憧れとか、うらやましさとか、そういうのがあるのかな。
俺は星空に視線を戻して答えた。
fk「人間ってやなこといっぱいあるよ。大切な人が死んで永遠にお別れすることになったり、自分勝手な理由でお互いのこと傷つけ合ったり。あと授業行きたくねえし、テストはだるいし、バイトもだるいし……」
iw「おいふっか、いいこと言う雰囲気で適当なこと言うなよ」
fk「これは失礼」
ru「……ふふっ」
寂しそうだったラウールの顔に笑みが浮かぶ。それを見て安心して、さらに続ける。
fk「とにかく、やなこといっぱいあるんだよ。でもその分いいこともいっぱいある。飯はうまいし、友達と遊ぶのは楽しいし、家族と過ごすのもすごくいい時間。……まあ、正直個人差はめちゃくちゃあるけど、俺は楽しいと思ってるよ」
ru「うん」
fk「少なくとも醜くて愚かで傲慢なだけの生き物じゃないよ、人間って」
ru「……それはみんなを見ればわかる」
ラウールが俺の方を向いて微笑んだ。俺も応えるように笑う。
ラウールは星空に目を戻して呟いた。
ru「僕ね、もし1つ願いが叶うなら……人間になってみたい、って思うんだよね。確かに『力』とかないかもしれないけど、人間にしか出来ないこともいっぱいあるじゃん」
『cupid』として生まれて、いろんな『guardian』たちの契約なんかをずっと見てるとやっぱり憧れるのか。家族もそうだし、青春や恋愛なんかも経験したことないんだろ?
俺たちが当たり前に手に入れてる幸せを、ラウールは知らないんだよな。
fk「じゃあ、人間になったら絶対お前のこと見つけて友達になるわ」
ru「ほんと?」
fk「もちろん。大切な人だから」
ru「ふふっ、ちゃんと見つけてね?」
fk「背高いから余裕だろ」
その願いが叶うのかは俺には正直わからないけど。
でも叶うなら、人間の生活が楽しいってことを俺たちが責任持って保証しないといけないな。
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怜(プロフ) - 玲雄さん» コメントありがとうございます! さあ…康二は何をやらかしてるでしょう(遠い目) これからも楽しみにしていただけるように頑張ります。よろしくお願いいたします! (2020年3月29日 11時) (
レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - アルさん» コメントありがとうございます! やばい、細かいところまでちゃんと見られてる…^^; 笑 ラウールっぽさが表現できててよかったです。これからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年3月29日 11時) (レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
玲雄(プロフ) - 更新大変だと思いますが頑張ってください！応援してます！『舞台の幕開け』に康二が関わってたら､､､なんていう妄想してました(笑)ガンバルンバです (2020年3月29日 2時) (レス) id: 391783a751 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - 睡眠欲を寝たい欲っていう言い方するのruっぽくて可愛い笑笑応援してます！ (2020年3月28日 21時) (レス) id: 8c112bdf37 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 祐莉さん» コメントありがとうございます! 感動だなんてそんな…とても嬉しいです。これからも面白いお話が書けるように頑張ります! よろしくお願いいたします!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: bde7b3ff5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年3月21日 19時
