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すれ違うのは街灯のみで、
響き渡るのは小刻みの足音と呼吸音だけ。
普段レッスンを終える時間は
事務所の前も最寄りの駅までの道も
ファンたちで溢れかえっているが、
さすがにこの時間ともなると
お目当ての人間を見送った後なのだろう、
それらしき影は見当たらない。
息が弾む中、お馴染みの社名ロゴが見えてきたら、
ラストスパートを切る。
少し前に見送ったはずの僕が駆け込んでくる様子に、
守衛のおじさんは切れ長の目を丸くしていたが、
余裕がない僕はすみませんと
通常の２倍速の謝罪を投げるだけだった。
その勢いのまま上を指す矢印を叩いたら、
エレベーターに乗り込む。
今の僕にとっては3階ですら、遠い場所のようだ。
ロスタイムを有効活用し、
テンポが乱れた息を何とか整えようとして
唾を飲み込んだところで、
思いがけず器官に入ってごほっと一度咽た。
頭上のディスプレイに映し出された
２階という文字が３階に切り替わる、
目の前の自動ドアがゆっくりと開いた、
相変わらずこちらの暗闇に指す
一筋の光を認めて走り出す。
ここまで来たら
あの光は逃げる事なんてないんだから、
何も急ぐことなどないとよく解かっている。
だけど何だろうこのざわざわとした感覚は。
早く、その先に何があるのか知らないと。
不思議な予感がする、
きっと気の所為かもしれないけれど、
だけど、
言いようのない、
表現の仕方も僕にはまだ分からないような、
そんな予感。
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Ray.(プロフ) - あいさん» こちらこそコメントとっても嬉しいです、ありがとうございます！できるだけテンポ良く更新できるよう努力しますので、お時間ある時に覗いていただけると嬉しいです。 (2021年7月20日 8時) (
レス) id: 18d9311fdb (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 更新うれしいですーー！！これからも楽しみにしてます！ (2021年7月19日 21時) (レス) id: b7f70cfb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ray. | 作成日時：2021年6月24日 0時
