2-3 ページ14
「だから、別に何もないって言ってるだろ……。」
「そんなんでおれのこと
騙せると思ってることに驚きだわ。」
はっと鼻で笑って感心したように腕を組むそいつに、
熟と嫌味な奴だと思うのに
下唇を噛むことしかできないでいる。
鏡を見なくても分かる、顔に書いてある文字は図星。
頑なな僕の沈黙に痺れを切らしたのか、
再度口を開こうとしたドンヒョクの口から
ひゅっと息が漏れたところで、
遠くの方から少しずつ近づく
聞き覚えのある足音が耳に入る。
それは皆同じで、
座り込んでいた人間も発声練習をしていた人間も、
さっきまで散々御涅ていたそいつも例に漏れず、
反射的に背筋をピンと伸ばして
誰からともなく5×4の列を形成し始めた。
入室したトレーナーが
整列している練習生達に満足げに二度頷いて、
僕はそれまで詰めていた息を僅かばかり緩める。
練習着のバンドTシャツの後ろの裾が
くいっと引っ張られるのを感じて、
悪目立ちしない程度に
斜め右後ろを横目で確認すると、
口パクで何やら訴えてくるドンヒョク。
お、し、え、ろ
嗚呼、今日も長い一日になりそうだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 508人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ray.(プロフ) - あいさん» こちらこそコメントとっても嬉しいです、ありがとうございます！できるだけテンポ良く更新できるよう努力しますので、お時間ある時に覗いていただけると嬉しいです。 (2021年7月20日 8時) (
レス) id: 18d9311fdb (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 更新うれしいですーー！！これからも楽しみにしてます！ (2021年7月19日 21時) (レス) id: b7f70cfb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ray. | 作成日時：2021年6月24日 0時
