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そして、あと一歩でその扉に手がかかるその瞬間に、
中から聴こえた、声。
それは、知らないソプラノだった。
月一度の評価会だけは男女混合で、
例え自分達のパフォーマンスが終了しても
勉強の為に最初から最後までその場に残されるため、
この事務所所属の練習生の歌声は
大体把握しているつもりだ。
ところが、記憶の中をいくら探してみても、
ただの一人として当てはまらない。
こんなにも透明な声で、胸が苦しいくらいに
切なく歌う人がいただろうか———
そこで、すとんと理解した。
嗚呼、あの子なのか。
頭が真っ白になる。
先ほどまで忙しなく地面を蹴っていた足が、
床に張り付いたように動かなくなった。
ただできたのは隙間から中を覗き込むことだけで、
しかし僕はこの時のことを恐らく、
長い間後悔することになる。
ドンヒョク曰く、
彼女を一目見た人間は口を揃えてこう言うという。
「まるで、花のような女の子だ。」と。
そして、僕はその姿を目撃した瞬間、悟ったのだ。
僕もまた、その花に魅せられた蝶の一羽なのだと。
《花のような少女》Fin.
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Ray.(プロフ) - あいさん» こちらこそコメントとっても嬉しいです、ありがとうございます!できるだけテンポ良く更新できるよう努力しますので、お時間ある時に覗いていただけると嬉しいです。 (2021年7月20日 8時) (レス) id: 18d9311fdb (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 更新うれしいですーー!!これからも楽しみにしてます! (2021年7月19日 21時) (レス) id: b7f70cfb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ray. | 作成日時:2021年6月24日 0時