149 ページ49
ステーキハウスを出て、部屋に戻る道。
隣を歩くATSUSHIさんは時々ため息をついたり、難しい顔をして考えていた。
歩きながら、また間違えちゃったなって思ってた。
A『さっきの事だけどさ、それって今日俺があんなこと言ったから?だよな』
『…んー、ATSUSHIさんはお勉強っていうか、もっと上を目指すためにここに来てるのに、私なんかのためにリズム狂うっていうか…そういうの、よくないかなって…』
A『あれはほんとゴメン。ちょっと上手くいかなくてイライラしてさ、八つ当たりしちゃったんだよね』
ほんとゴメンって眉を下げて私の顔を覗き込んでくる。
『拗ねてるとかそういうんじゃないですよ。あの後も、ATSUSHIさんの言う通りだなぁって、外に出てみて、お友達も出来たし…』
A『だったら…戻らなくてもよくない?俺、Aが傍にいないと頑張れない。離れてると余計に気になって…何も手につかない。と思う。』
この時ちょっと思ったの。
強引っていうかワガママっていうか…
口調は優しいけど拒否の答えは受け付けないって感じで…
そして紗英ちゃんが言って言葉を思い出した。
「剛典に言われると断れないんです」
あぁ…そっか…
たまらなく好きだから…
断れないんだよね。
今、やっと分かったよ。
199人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花梨 | 作成日時:2017年5月22日 16時