My Dear Lady 3 (ページ25)

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A『…でも？』

さっきまでの嬉しそうな声とは真逆の深く沈んだ声。

『ATSUSHIさん、海外行っちゃうんですよね？』

A『あー、その事なんだよね…』

唇を噛み締めたATSUSHIと立ったまま向き合っている。

いくら夜だからって…
いくらバレにくいからって…

やっぱりこのままじゃマズイんじゃないだろうか…

『あ、あの！良かったらなんですけど…うち、来ますか？』

A『えっ？』

今日のATSUSHIさんの表情は忙しい。

『いや、あの、さすがにバレたら…』

A『あっ！そういう事ね…じゃあ、お邪魔させてもらおうかな？』

もう二度と並んで歩く事なんてないと思っていた道を二人で歩く。

ほんの少しあいている二人の距離がもどかしい。

触れようと思えば触れられる彼の指先に手を伸ばしそうになって、指先をギュッと握りしめた。