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話したいことがあるんだ
そう言ったわりに、無言で歩いている。
きっと、この前はゴメン とかそういった類いの話なんだろうと思う。
言い逃げしたような形で別れたけれど、あれから連絡があったわけじゃないから、成立しているはずなんだ。
チラッと隣を歩くATSUSHIを見ると、奥歯をギュッと噛み締めているのが分かった。
『あの…お話って?』
もうすぐ、あの別れ話をした公園に差し掛かる。
A『あ…うん。まずは、Aを知らないうちに傷付けてたことを謝りたいんだ』
『ATSUSHIさん、謝らないでください。』
ゴメンの一言を言われる前に遮った。
『これ以上謝られると…惨めになるんです。』
立ち止まったATSUSHIが、じっとAを見下ろしている。
『だから…もう…』
言葉に詰まって下唇を噛み締めた。
そんなAの手を、ATSUSHIはそっと握った。
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作者名:花梨 | 作成日時:2017年5月22日 16時