嫌いでもいいよ。【mfmf】 (ページ2)

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プロローグページ2

僕には兄がいる。

でも、血は半分しか繋がっていない。

お父さんが、離婚した後再婚して
その相手との間の子供が僕だ。

でも僕が3歳の時に、
僕のお母さんは病気で他界した。
顔なんて覚えていない。

僕が13歳の時に
今度はお父さんが他界した。

交通事故だった。
交差点で、横断歩道を渡る時に
信号無視の車が、猛スピードで......
......あぁ、あんまり思い出したくない。

僕もその現場にいた。

お父さんが咄嗟に僕を突き飛ばしたから
僕だけが助かった。
お父さんは、即死だった。

撥ねられて、遠くに吹っ飛んだお父さんは
血まみれだった。
動かなかった。

泣き喚いたりはしなかった。
だって声が出なかった。

____この時から、僕は声が出ない。

呆然として
涙も出なかったくせに
しっかりショックは受けていたようだった。

親戚からは、可哀想に、と
何回も言われた。
それが、お父さんの死を実感させた。

お葬式の時はずっと茫然自失だった。
泣いたところで何になるかわからなくなった。

それで僕は、孤児になった。

「ねえねえ」

火葬が終わってから、
年上の男が話しかけてきた。

無愛想な顔で首を傾げた。

「僕の家、来ない？」

____正直、「は？」と思った。
僕が普通に喋れたら実際口に出してたと思う。

初対面で何を言うんだろう。
ていうか誰だろう。
少し怪訝な顔をした。

相川真冬。僕の異母兄弟。
そう教えられ、まあ、孤児だし
行くしかないと思って従った。

"僕の家"というのは、
本当に"相川真冬の家"という意味だったらしい。

一人暮らしを始める5歳年上の彼と、
一緒に暮らすことになった。
今ではもう5年目になる
2人暮らしのスタートだった。

正直に言おう。

______僕は、相川真冬が苦手だ。