Dearest 【２】

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1人歩き続けると藤井くんが見える









「あれ？どうしたん？みんなは？」









流星「……先に行った」









「そっか」



座っていた藤井くんが立ち上がると







流星「一緒に行くで」


と、横に並ぶ








「うん…」





2人、前に進むけど会話はない。






待っててくれたんかな？
そう思っても口に出せないまま









「あ、そうや…知ってた？
この頂上にいる神様って恋の神様なんやって。

苦しい思いをして登ってきた人の願いを叶えてくれるんやって」









まぁ、さっき聞いただけなんやけど……
会話のない状況に思わず口に出してしまう。









流星「そうなんや。
じゃ、頑張って登らんとな」








藤井くんから笑顔が見え、少しホッとする。









恋の神様……


恋というものの初心者の私に、何の願いがあるのだろうか









流星「あと少しやで、がんばろ」


背中を押すように藤井くんが声をかける

体は辛くやっとの思いで進む足









恋って………









「恋ってしんどいんかな？」









流星「そうやと思うで」









そう、なんや…









流星「そうして…手に入れた恋は、」

そう言いかけると視線が止まる









山頂の前、みんなの姿









流星「とても嬉しいもんやと思うで」









今まで知らなかった。









恋を__________









私は……









知ることになる。









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