結婚 9 ページ9
過去〜10年前〜
私は、生まれつき体が弱くていつも病院にいた。
学校に行けるわけがないから、友達なんて一人も出来なかった。
お母さんからは学校じゃなくても、病院で友達を作れるでしょ？なんて言われた。
友達、友達って、もう今さらいなくてもいいよ。
私はもう一人に慣れたんだから、
「…お外にいこうかな？」
病室を勝手に抜け出して、私だけの秘密基地にいく。
誰も知らない私だけの秘密基地なんだぁ〜！
秘密基地につくと、なぜか人の気配がした。
「**ガサガサ**」
物音がしたから、そっと覗いて見ると
「…え？…誰？」
誰も知らないはずの私の秘密基地に
「ここって君の秘密基地？あ！勝手に入ってごめんね、俺伊野尾慧っていうの！よろしくね！」
一人の男の子が迷いこんできた。
その男の子はふわふわの髪をしていて、男の子っていうより女の子に近い感じの可愛い子だった。
「山口A…です。よろしく？」
「ふふっ、俺たちもう友達だね！」
有無を言わせないその言葉に圧倒された。
ただ彼を見つめることしかできない。
「…あぁーーーー！やっべもう帰らないと…、あ、ねぇ？またここにきてもいい？」
そんなうるうるした目で見られたら断れないよ。
男の子と話した経験がないからなのかな、なぜかおどおどしてしまう。
「う、うん」
「やった！じゃあ、また明日ね！」
その君の真っ直ぐ輝く瞳が私には眩しすぎて、直視できなかった。
明日…か、
「何時にいったら、また会えるかな…？」
不意にそう呟いていた。
こんなに明日が楽しみだって思ったのは初めてかもしれない。
友達ができるのも、、悪くないかもね。
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
