結婚 38 ページ38
大貴side
出張から帰る前、ひとつのメールが届いた。
「…んー？なんだこれー？」
開いてみると、手を繋いで笑いながら歩いているAと八乙女がうつっていた。
「…は？」
その下にもたくさんの写真がとられていた。
それも全部A達の写真。
「なんだよ、これ」
その下に文字で
""あなたが出張中に山口Aと八乙女光は二人っきりでデートをしていた。
今日１日はカップルでいようと二人で話し合っていた。
山口Aは浮気者。
最低なやつ。こんなのとは別れた方がいい。""
俺はこれを無視した。
というか、信じられなかったし、信じたくなかった。
Aがこんなことするはずない。
そう思ってたから、
家に帰るとすぐにAが抱きついてきた。
あまりにも疲れていたので、冷めているようにAをどけてしまった。
だからか、Aは不安そうな顔をしていた。
いそいで支度をして、ドアをあけると
Aが泣いてた。
八乙女の胸のなかで。
無視してたあのメールがよみがえってくる。
「…やっぱ、できてんの？」
気づくとそう呟いていた。
再び部屋に戻り頭の中で今のことを整理した。
でも整理なんてできるはずがない。
イライラがまし、机の上にあるものをガムシャラに投げ飛ばした。
言葉にならない叫びが、部屋の中に響いた。
それが止まったかと思うと、自然と涙がでていた。
もう、なにもかもわからない。
自分の気持ちもわからない。
そんな状況に陥っていた。
「Aの気持ちがわかんねぇーよ」
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
