結婚 37 ページ37
八乙女side
わたくしにとって、A様も大貴様もどちらも大切。
でも、その中に亀裂が入ったら？
どう対処するのがいい？
一番いい方法なんてわからない。
ただできることは、相談にのったり慰めたりすること。
それしか、できない。
大貴様がいない間色々なことを考えてしまった。
わたくしはA様が好きだ。
素直で、かわいらしくて、知識もある。
好きになるのも無理ないななんて思った。
大貴様がいないうちにA様を奪おうと思ったこともある。
A様も気を使ってくれたのか、合わせてくれたし、いけるかな？と思ったこともある。
もし、わたくしが執事という仕事じゃなくて、他の仕事をしていたら、
A様とつきあうことはできたのかな、
仕事上この気持ちは心の奥にしまっておかないといけない。
でも、そう思っていても隙あらば良いところを見せようとする。
ほら、また体が動いてる。A様の方に、
「A様？！どうなされたのですか？」
通りかかったふりをする。
今までずっと見てたのに、、
でもA様の泣きそうな顔を見ると心が締め付けられた。
俺なら、そんな顔させないのに、
そんな自分の気持ちを押し殺して、
「とりあえず、部屋へ戻りましょう！」
といった。
すると、A様が抱きついてきた。
A様は偶然にも大貴様が見てたことなんて知らないだろうな…。
動くことをやめて、A様の背中を優しくなでた。
「…やっぱ、できてんの？」
その呟きも聞こえた。
このまま、別れればA様は自分のものにできるのかな？
そんなことも考えたけど、やめた。
大貴様の執事なのに、
大貴様の幸せを願っていないなんて最低な執事だ。
部屋に入ると、A様は安心して寝ていた。
その可愛らしい顔がいとおしくて、額にキスを落とした。
「…お許しくださいませ、」
そういって部屋をでた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
