結婚 36 ページ36
今日は大貴が出張から帰ってくる日！
やっと会えるんだ！
八乙女さんとのことは忘れよう。
だってあの時はカップルのふりなんてしたから、あんな想いになっただけで、本当ってわけじゃないもん！
ほ〜ら今だって普通に会話…
「おはようございます！A様」
「お、おおおおおはようございます！！」
できてない！！！
ちょっと意識しすぎだよ！私…。。
とにかく、大貴の帰りを待とう！
「*ガチャ*」
「ただいま〜」
大貴だ！やっと、やっと帰ってきた！
「おかえり〜！！！」
といい、大貴にハグをした。
あぁ、なつかしいな、この温もり。
安心する。やっぱ大貴じゃないと！！
私は八乙女さんを忘れるために大貴のことだけを考えることにした。
それにしても、大貴が何も反応しない。
顔を上げて大貴を見ると、私の方を冷たい目でみていた。
それに驚いて手の力が抜けた。
「大貴…？」
ため息をついて、私をどかし自分の部屋へ入っていった。
「え？…なんで？」
なぜ、ため息をつかれたのかが私には理解出来なかった。
急に抱きついたから？
疲れてるのにすぐに休ませない私にイラついたから？
ねぇ！どうして？！
自然とでてくる涙を拭き取れないまま、床に座り込んだ。
拭く気にもなれない。そんなとき
「A様？！どうなされたのですか？」
八乙女さんだ。
こんな弱ってるときにくるなんて、ずるいよ。
「とりあえず、部屋へ戻りましょう！」
そういって私の手をとった。
私は涙を見られたくなくて、八乙女さんに抱きついた。
その姿を大貴が見ていると知らずに
「…やっぱ、できてんの？」
そう呟き再び部屋の中へ入っていった。
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
