せいりゃくけっこん Daiki.A (ページ35)

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結婚 35 ページ35

家の前につくと、

「A様、ここからは仕事になりますので…。」

離れた手はなんだか寂しくて冷たかった。

おかしいな、

八乙女さんはずっと私が動き出すのを待っている。

でもそれは仕事だから、

なんでこんなに涙が出そうになるんだろ、

大貴がいないから？

こんなに人恋しくなるの初めてだよ…。

「八乙女さん…私おかしくなったのかもしれません。まだ、八乙女さんといたいって思ってるんですよ？大貴がいないからですかね？」

よく、二股をかけてるかんじの女を見ると、あんな人にはなりたくないなって思っていたのに、

こんな自分が情けなくて、顔も上げられない。

沈黙が続いた。八乙女さんからの返事はない。

「A様、ここは寒いです。中に入りましょう」

仕事の中での対処だってのがよく伝わってきて、やっぱり悲しくなった。

この気持ちは、恋なんかじゃない。

私は二股なんてかけない。

と、思いたい。

だってそんな複雑な関係になりたくないもん。

空を見て、大貴に願った。

私ね、大貴がいないとだめみたい。

自分で自分をおさえきれないの。

大貴、私大貴に

会いたいよ…。。