結婚 26 ページ26
大貴side
Aが俺の服の裾を引っ張って、
「なにしてんの？」
と聞いてきた。
俺はあのシュミレーションをしたときから、八乙女のおもしろさにはまってしまって、八乙女といることが多くなっていた。
だから、Aにもそのおもしろさをしってほしくて
「あ！A、見てみろよ！これ！
八乙女！もう一回！」
といってAの方をみたら、
Aは不満そうな顔をしていて、
少し、泣きそうになっているように見えた。
「もう、、いい。私ちょっと外に出てくる！」
「A…？」
そういい、Aは外にでていった。
「大貴様…ここはいくべきです。」
そんなこと言われなくてもわかってる。
「わかってる。」
でも、追いかけたところでなんて言葉をかけてやればいい？
「大貴様！何をしているんです？」
「わかんないんだよ！なんでAがそんなに怒っているのかが、、
わからないのに、言葉をかけたって心に響かない。今いっても、、俺にはどうしようもないよ」
八乙女が深呼吸をして、
「私の考えを言わせて頂きます。
A様は、大貴様に特別扱いをしてほしいのです。たぶん、
私にはそう感じられました。
言い方が変ですが、最近大貴様はわたくしとばかりいたので、わたくしに嫉妬を…したということでしょうね、」
八乙女に…嫉妬、か…。
嫉妬とか可愛すぎじゃん？
あれー、なんか顔がにやける。
Aも嫉妬してくれるんだ。
なんかそう思うととても嬉しくなった。
Aへと向かう足どりが軽くなっていた。
「くすっ、大貴様。
気づいてくださいませ、
A様はとても分かりやすいですよ？
まぁ、大貴様もわかりやすいですけど、」
八乙女はそう呟いて、俺の部屋をでたらしい。
八乙女の言葉は風のように流れていった。
俺の耳に届く前に…。
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
