結婚 21 ページ21
大貴side
Aが気を失って今日で3日がたつ、
こうも意識が戻ってこないとさすがに俺でも不安になる。
このまま目を覚まさないなんて、やめてくれよ？
病室の中で、いったりきたりを繰り返していたら、看護師さんに変な目で見られた。
だから大人しく座ることにした。
でも早くこの不安から抜け出したい。
A、目を覚まして！！
「…。あ、れ？ここ」
俺がうつむいてるとAが目を覚ましていた。
「A？！」
起き上がっているAに俺が抱きつくと
「どうしたの？大貴…落ち着いて？」
「落ち着いてなんていられるか、A3日も目を覚まさなかったんだぞ？心配くらいするさ、」
Aが戻ってきてくれた嬉しさで俺は涙が溢れでてきた。
その涙がAの服にしみる
泣いてるの、バレバレだ…。
「大貴…、」
Aが抱きついている俺を離そうとしていたから俺はAを引きつけて、
「だめ、このままでいさせて？」
といった。
まぁ、ただたんに泣き顔を見られたくないだけなんだけどね、
「大貴〜、聞いて〜？私ね長〜い長〜い夢みてたんだよ？」
Aは切なそうだった。言葉だけでわかるくらいに、
「その内容はね、私の過去のお話だったの。」
「うん、どんな過去？」
「あんまり思い出したくない過去だけど、向き合わないといけない過去」
Aは拳に力をいれて震える体を必死に止めようとしてた。
俺はそれを落ち着かせるために背中をさすった。
何回も、何回も、
すると、Aは落ち着いたのかゆっくり話始めた。
「実は私のせいで死んじゃった男の子がいるの、
8年くらい前に亡くなったの。
私を助けるために犠牲になった
私の大好きだった人。
私が大人しくしていれば何もなかったのに、
私のせいで、私のせいで、慧くんは死んじゃったの」
Aは泣きながら、
初恋相手であろう*慧くん*という男の子を死なせてしまったことを俺に話してくれた
誰にも言えずに一人で悩んできたんだろうとすぐに察した。
「また泣いちゃった、泣いちゃだめなのに」
Aはその苦しみと戦いながら生きてきたんだ。
泣いちゃだめなんてないのに。
「A、あまり自分を責めないで？
大丈夫、大丈夫だから！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
