結婚 17 ページ17
それから2ヶ月くらい入院して、今日は退院の日！
「今までお世話になりました！僕の命の恩人です。一生忘れません！」
慧くんはそういうと病院の外へ勢いよくでていった。
「うーーん！！気持ちいい！やっぱ健康っていいね！」
伸びをしながら私に話しかけてくる。
「そうだね、私も早く慧くんみたいによくなりたいよ」
まだ私は病院通いをしなければならない。
だから、自由になれる慧くんが純粋に羨ましかった。
「私も…自由になりたいな」
その呟きを聞いてからか慧くんはやけに私と出掛けようといってくるようになった。
「ねぇ、お願い！デートしようよ！…ね？だめ？」
私は長時間の外出は認められていない。
いつもそれを使って断っている。
私だって遊びたい、
でも私が急変したら慧くんを困らせてしまう。
もしかしたら私のせいでまた慧くんが危ない目にあってしまうかもしれない。
そう考えると、なんだかゾクッとした。
「A…、外だからダメなの？」
「え？」
「なら、病院の中でデートしようよ！」
慧くんはなんでそんなに私の心のなかを読み取れるわけ？
ずるいよ、
そんなの喜ぶに決まってるじゃん、
「…じゃあ、初デートだね。」
その響きがなんか新鮮で、嬉しくなった。
さっきまでの不安がなかったかのように、
私の心は慧くんで満たされていった。
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
