結婚 14 ページ14
手術の日、慧くんはいつものように笑顔だった。
今から手術をするっていうのに、、
「慧くんは強いんだね、、」
というと、目を見開いて
「え？なんで？」
と聞いてきた。
「だって、今から手術なんだよ？怖くないの？私だったら不安で泣いちゃう」
私は弱虫だな、すぐ泣いちゃうんだから。
「あぁ〜また泣く〜、Aが手術受ける訳じゃないんだし…泣かないでよ〜」
私の涙を拭いながら、背中をさすってくれた。
「慧くん、ごめんね、私が泣いちゃダメだよね。ありがとう、もう落ち着いた。」
「でもね慧くん、私も慧くんのこと好きだから気使ってほしくないの、私の前くらい本当の気持ちいっていいんだよ？こんなときくらい頼ってもいいんだよ？私にはそれくらいしか出来ないんだから」
慧くんに頼ってほしかった。
慧くんの特別になりたかった。
手術は成功するとは思ってるけど、
もし失敗したら
慧くんとは会えなくなる。
この日が最後の日になるかもしれない。
そう思うと、なんだか慧くんが恋しくなった。
「俺ね、ほんとは…怖いよ？だって頭開いちゃうんだよ？考えるだけで恐ろしくてこの日になるのがすごく怖かった。
でもね！Aがいるなら大丈夫って思えたんだ。俺にはAっていう最高の女神がついている。それなら手術にも勝てるかもってそう思ったらなんかすんなり手術のこと受け入れるようになれてたし、この日が来るのも思ってた以上に苦しくはなかった。Aがいるから俺は今こうして元気なんだよ？
もう充分Aからパワーは貰ってる。ありがとう。」
慧くんの一つ一つの言葉が嬉しくて、
心に染み渡るようなそんな感じだった。
「でも、慧くんは強いよ！何にでも前向きだもの！絶対手術は成功する！」
「ふふっ、やっとAが笑顔になった。
俺、Aの笑顔が一番好きなんだ〜、だからいつでも笑顔を忘れずにね！これ約束だよ？」
「うん！」
私達は手術の時間が来るまでずっと手を繋いで離さなかった。
「*ガラガラガラ*」
「慧くん、手術の時間だよ。さぁ、行こうか。」
お医者さんがきた。
「はい。わかりました。」
私が切なそうな顔をしてると
「A！笑顔！ね？」
慧くんが私のほっぺをつまんで上に上げながらいった。
「俺頑張ってくるから、でも最後にAのパワーをもらいたい。
抱き締めてもいい？」
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作者名：じゅんらい | 作成日時：2017年10月12日 0時
