結婚 11 ページ11
私と慧くんが友達になって2年がたったある日。
私は、慧くんの秘密を知ってしまった。
「慧…くん?」
なぜ2年も一緒にいて気づかなかったのか…。
いや、慧くんの演技がうまいのかもしれない。
私はずっと、慧くんが健康で元気な普通の男の子だって思ってた。
だってそうでしょ?
いつも走り回ってて、いつも笑顔だったんだよ?
「ううぅぅぅ、、あぁ、はぁ」
こんなに苦しんでるところなんて見たことないよ…。
「慧くん!救急車呼びたいんだけど、携帯とかもってない?ねぇ!慧くんしっかりして!!」
胸を押さえて苦しそうに私に携帯を渡す。
しかし、私が携帯を受け取ったとき慧くんは気を失ってしまった。
「慧くん!!やだ、やだ!死なないで!やめてよ!これ以上みんなが死ぬのは嫌だよ!!ねぇ、お願い目を覚ましてよ!」
何度も慧くんの体を揺らした。救急車に連絡することを忘れて…、
そうしていると
「Aちゃん?」
唯一信頼できるといえるそうじのおばちゃんがきた。
「なんで、、おばちゃんが?」
「Aちゃんのようすを見に来たの。どんな子かおばちゃんも会ってみたくてね、でも今はそれどころじゃないね、よし、病院に運ぼう。Aちゃんうちの病院に電話してくれるかい?私がこの子を連れていくから!」
「う、うん!」
それから慧くんは手術を受けた。
手術室からお医者さんが出て来た。
「ねぇ!慧くんは?慧くんは大丈夫なの?」
いつもの私じゃない焦った表情に、お医者さんもびっくりしているみたいだったが、私の肩に手をおき
「大丈夫、手術は…成功したよ?」
私は安心とともに泣き崩れてしまった。
どんなにその言葉が嬉しかったことだろう。
これ以上の喜びはないと、思っていた
「ありがとう!先生!ありがとう!」
少し間があいて
「Aちゃん、慧くんのこと何でも知ってる?」
「もちろん!」
自信をもってそういえた。だって2年も一緒にいるんだよ?
「じゃあAちゃん、、慧くんの両親って知ってる?」
「両…親?」
さっきの自信はどこからでてきたのか不安になった
私、慧くんのこと知ってるよね?
名前は伊野尾慧君
年は同じくらいで
元気で明るい男の子
あれ?
私
私
慧くんのこと何も知らないじゃん
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作者名:じゅんらい | 作成日時:2017年10月12日 0時