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おかしいな。
お母さんにちゃんと置き手紙を書いたはずなんだけど、見つけられなかったとか？
「……心配してたぞ」
『…お母さんが？』
「"やっぱり自分は親バカだ"と」
『？』
焦凍君が、コソッと話しかける。
意外にも出てきたのは母の言葉。
「Aを一人にはさせたくないと言っていた」
『……そう言う事か』
その事を理解して、なんとなく繋がった気がした。
「無事で何よりだ唯夜くん！」
「もう、心臓に悪いですわ！」
「てか爆豪ここにいたのかよ！」
「抜け駆けずりーぞ！」
「A、おでこ赤くない？大丈夫？」
静かだったのが、一気に賑やかになる。
それは、まるでいつもと変わらない。
当たり前のように、接してくれる。
いつもと変わらないその光景が、すごく嬉しい。
その光景を噛み締めていると、ふと目が合った。
「安心しろ、お前は一人じゃ無い」
『っありがとう…』
焦凍君の言葉が、心に響く。
思い返せば、いつもそう。
優しい言葉をくれる焦凍君。
背中を押してくれる出久。
慕って、仲良くしてくれる百ちゃん。
叱咤して引っ張っていってくれる勝己。
他にも、もっともっと＿＿＿＿＿
『ありがとう、皆…！』
あったかい、A組の皆が。
その気持ちが。
今は、それが素直に嬉しいと思う。
嬉しくて、でも申し訳なくて。
どんな顔をしたらいいのかわからなくなって、くしゃりと笑った。
『やっぱり、私は皆が大好き』
「A〜〜〜！！」
「Aちゃん…！」
「Aさん！」
「唯夜！お前……！！」
「うおぉぉぉ唯夜が笑ったー！！！」
「その顔が見たかったァ！」
ワイワイと、皆が嬉しそうに名前を呼んでくれる。
チラリと横を見ると、焦凍君も薄く笑っていて。
出久はなんだか泣きそうな顔で。
勝己の舌打ちはいつも通り。
それが、幸せだ。
『不束者ですが、これからもどうぞよろしくお願いします』
皆と出会えた事が、宝物。
失いたくない。
手放さない。
今度は私が皆を支えてあげられるように。
そして、なりたい
なろう、皆で
最高のヒーローに＿＿＿＿＿
.
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作者名：noon | 作成日時：2020年12月1日 1時
