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「…安心した。みんな、本当に優しい子たちだね。
勝己くんはやっぱりいなかったけど、あの子は昔からそう。Aの事全部わかってる」
そう言って、笑う。
一人だけいなかった爆豪。
その行動の意味を、この人は理解しているのかもしれない。
そこから感じる絶対的な信頼感。
それに、少し心が疼いた。
「さて、と」
ぱん、と一度両手を合わせる。
そして、琥珀色の瞳がこちらを見た。
「君は、どうするの？」
威圧するでもなく、責めるでもなく
そう聞かれる。
こちらを見る瞳は、ただ真っ直ぐに純粋で
Aの目と似ているな、なんてぼんやりと頭の片隅で考えた。
「＿＿＿＿＿居場所なら、あります」
此処に。
いつだって。
そんな思いを込めて、その瞳を見返す。
「もう、迷わせない」
「…君は人の事をよく見れる人。
Aをよろしくね、焦凍くん」
それだけ聞いて、病室を後にした。
＿＿＿＿＿優しくて強い、母親という存在。
前に一度、Aの口から母親の話を聞いた事がある。
その時は、その話を聞いただけで、Aは母親に似てるんだろうなとなんとなく思っていた。
だが、実際に会って思った。
Aの母に、どこか自分の母の姿を重ね
同時に、Aを重ねた。
やっぱり似ている。
改めてそう思う。
さっきまでの落ち着いていた心が嘘みたいに
急かすように体が動いた＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.
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作者名：noon | 作成日時：2020年12月1日 1時
