泡沫の記憶Ⅳ (ページ10)

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もの凄いスピードでオールマイトが迫ってくる。

「正面戦闘はまずい！逃げよう！」

それに対して緑谷君は、一旦逃げることを提案するが

「俺に指図すんな！」

「かっちゃん！」

＿＿＿＿"閃光弾"！！

爆豪君は一人でオールマイトに挑んでいく。

「オールマイト！言われねえでも最初(ハナ)から」

そして、ガシッと顔面をオールマイトに掴まれた。

それも気にせず手を前に伸ばす。

「そぉつぉいあよ(そのつもりだよ)」

「あ痛たタタタタた」

そのままオールマイトに向かって爆発を繰り出した。

『……！』

緑谷君は逃げる体制で、私はその場から一歩も動けずにその光景を見る。

次の瞬間には、爆豪君が思い切り投げられていた。

「そんな弱連打じゃ、ちょい痛いだけだがな！」

そして＿＿＿

「君もだ緑谷少年！！」

「うわ！」

今度は緑谷君の前に回り込む。

「チームを置いて逃げるのかい？」

ブワ…と何かを感じ取った緑谷君が後ろに下がる。

だが、そこには＿＿＿＿

『…危ないッ！』

「バッ！どけ！！」

「かっちゃ……！」

ゴチン！とぶつかる音。

そしてそれに気を取られた一瞬の隙に＿＿＿＿

「君もだよ、Aくん」

『！』

目の前に、オールマイトがいた。

「立ち止まって、何をしている？」

『……くっ、そ…！』

バチ…！とオールマイトに手をかざし個性を発動しようとしたが

お構いなしに拳を繰り出してきて、咄嗟に反射させる。

「守りは固いが……」

キィィィン、という反響音と共に、オールマイトの"超パワー"を反射させた反動で後ろに吹き飛んだ。

「攻撃はぬるい。"人"に"個性"を向けるのが怖いかい？」

地面に転がりながら、体制を立て直す。

……怖い、か＿＿＿＿

「だから！正面からぶつかって勝てるはずないだろ！？」

「喋んな。＿＿＿＿勝つんだよ。それが…ヒーローなんだから」

"どんだけピンチでも、最後は絶対勝つんだよなあ！"

ザザ…と過去の映像が脳裏に映った。

行き交う人々。

街角にある、電気屋。

そこに置いてあるテレビに映るのは……オールマイト。

　

それを見ている少年。

そして少女。

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