泡沫の記憶Ⅳ (ページ9)

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スタートページ9

「それじゃあ今から雄英高1年、期末テストを始めるよ」

＿＿＿レディィィ………ゴォ！！！

「ついてくんな！」

始まった演習試験。

が、かなり雲行きは怪しい。

というのも、コミニュケーションが大事になるであろうこの場面で、私達はそれが全くない。

「ブッ倒した方が良いに決まってんだろが！！」

「せっ、戦闘は何があっても避けるべきだって！！」

それどころか正反対の意見でぶつかっている。

「終盤まで翻弄して、疲弊したとこ俺がブッ潰す！」

『爆豪君、ちょっと待ってよ』

「うぅ……オールマイトを……な…何だと思ってんのさ」

『緑谷君』

今はどっちかに黙ってもらいたい。

その思いで声を掛けるが、爆豪君は耳を貸さないし緑谷君も何かを伝えようと必死だ。

そして＿＿＿＿

「いくらハンデがあっても、かっちゃんがオールマイトに勝つなんて……」

＿＿＿＿ピキ

その言葉に苛ついた爆豪君が、緑谷君を殴りつけた。

『ねえ＿＿＿＿』

「これ以上喋んな、ちょっと調子良いからって喋んな、ムカツクから」

『だから……』

「ごっ……試験合格する為に僕は言ってるんだよ。聞いてってかっちゃん……！」

『……………』

「だァからてめェの力なんざ合格に必要ねェっつってんだ！！」

「怒鳴らないでよ！！それでいつも会話にならないんだよ！！」

『いい加減に……しろ！！』

パシッ、と二人の手を思い切り引く。

何を言っても蚊帳の外で、全く聞かないこの二人に何かが切れる音がしたと思ったら、思ったよりも大きな声が出た。

片方ずつ手を握りながら、キッと二人を睨むと

驚いた表情で固まっている。

その時＿＿＿＿

「！？」

『！！』

遠くから、もの凄い勢いの衝撃波がやってきた。

腕でカードして、辛うじてその場に止まるが＿＿＿＿

「さて、脅威(わたし)が行くぞ！」

砂煙の向こうに見えた人影。

ザ…と聞こえた足音。

　

「は…はっ……」

「街への被害などクソくらえだ」

ザッ……

一歩、また近づいてくる気配。

「試験だなんだと考えていると痛い目みるぞ」

何だ……

何だ、この………

「私は敵だ、ヒーローよ。

真心込めて、かかってこい」

＿＿＿＿威圧感は。

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