泡沫の記憶Ⅳ (ページ8)

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『！』

「デ………！？」

「かっ……！？」

緑谷君と、爆豪君。

驚いた二人が顔を見合わせると、たまたま間にいた私はその板挟みになる。

「で＿＿＿＿相手は……」

「私が、する！」

現れたのは……オールマイト。

「協力して勝ちにこいよ三人とも！」

そう言って、ニッと笑った。

その後全10組すべてのペアが発表されると、各会場で同時スタートとのことで、それぞれがバスに乗り込んだ。

『…………』

そして今。

「……………しりとりとかする……？」

しーん、と静まるバスの中。

オールマイトが気を使って声を掛けてくれるが、このピリピリとした空気に黙り込んでしまう。

『(……なんで、私)』

独断で決めたと言われたこのチームアップ。

緑谷君と爆豪君の仲が良くない事は先生も把握しているのだろう。

だから敢えての組だと思うが、そこに何故私。

………完全に緩和材だ。

「さて、ここが我々の戦うステージだ」

キィ、とバスが辿り着いた所は、ビルが建ち並ぶ市街地だった。

＿＿＿＿制限時間は30分。

ハンドカフスを先生に掛けるか、誰か一人がステージから脱出する

どちらか一方の条件が満たされれば、クリアとなるらしい。

先生を敵だと考え会敵したと仮定し、戦い勝てるならそれで良し。

だが、相手は格上。

実力差が大きすぎる場合、逃げて応援を呼んだ方が賢明。

そういう事だそうだ。

「戦って勝つか、逃げて勝つか……」

『ゴールは勝つ事……』

そのための選択。

「そう！君らの判断力が試される！

…………けど、こんなルール逃げの一択じゃね！？って思っちゃいますよね」

そう言ってオールマイトが何かを取り出した。

「そこで私達、サポート科にこんなの作ってもらいました！超圧縮おーもーりー！！！」

テテテテン！と取り出されたもの、それは体重の約半分の重量があるおもり。

それを両手首と両足首に装着している。

「あ、ヤバ、思ったより重……」

「戦闘を視野に入れされる為か、ナメてんな」

なるほど、それで選択肢が広がるわけだ。

「どうかな！」

悪態をついている爆豪君に、オールマイトが笑う。

そうこうしてる内に、スピーカーから声がした。

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