泡沫の記憶Ⅳ (ページ48)

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「向こうに唯たちがいるから、そこに合流するといい」

『…二人は？』

「俺たちは、この煙の主を叩く！」

『ダメ。危険すぎる、先生たちがいる施設に戻って』

「その言い方……唯夜はどうすんの？」

『私は……』

あの炎…あれがもし個性ならば、私の個性で消せるはず。

もしかしたらそこに敵がいるかもしれない。

でも木が生い茂るこの場所で、あの炎をほっとくわけにはいかない。

囲まれたら終わりだ＿＿＿＿＿

「……それでも！」

『？』

急に声を張り上げて、鉄哲君が言う。

「俺は行くぜ！！」

その目には強い意志がこもっている。

そんな顔されたら＿＿＿＿＿

『ダメ…って言っても止められないよね。それに、私も同じ』

「"も"って…！」

ペロ、と舌を出してふざけたように言うと

拳藤さんが焦ったように声を上げた。

それに頷くと、やれやれと言ったように息を吐く。

『私なら、あの炎を止められる……たぶん』

「最後弱気だな！？」

「ほんと、見かけによらずあんたも頑固だよね」

『無茶はしないでね。……USJの時の敵連合とは訳が違いそうだよ』

「それは唯夜もな」

『私は火消したらすぐ戻る』

「俺は叩き潰したらすぐ戻るぜ！」

『うん、それが心配』

「まァ、そこは私に任せて……それじゃあ」

グッと拳を前に出す。

『また後で(・・・・)』

コツン、とそれに自分の拳をぶつけた。

そして、二人に背中を向けて走り出す。

どうか、この夜が無事に明けますようにと願いながら………

と、しばらく走っていたその時。

＿＿＿＿＿"A組B組総員……プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて、戦闘を許可する！！"

マンダレイのテレパスが、脳裏に響いた。

『(………戦闘許可がおりた)』

相澤先生のことだ。

それはきっと戦えって意味では無い。

そう自己解釈していると、更にマンダレイのテレパスが届く＿＿＿＿＿

"敵の狙いが判明＿＿＿＿＿！！生徒の「Aちゃん」！！"

『！！』

ドクン、と心臓が鳴る。

やっぱり。

わかっていた事だが、改めて言われると緊張が走る。

だが、続く言葉に耳を疑った。

"そしてもう一人、同じく生徒の「かっちゃん」！！"

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