泡沫の記憶Ⅳ (ページ47)

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『……ぅ…』

さっにまでいた場所がどんどん遠ざかっていく。

下には青い炎があがっているのが見えた。

そして謎の煙幕も＿＿＿＿＿

勢いをつけて飛ばされていく自分の体が向かうのは、

青い炎の場所から少し逸れ……煙幕があがる場所に近づいていく。

『く…！』

なんとか身を捩り進行方向を向く。

一度両手を合わせてから、前に突き出した。

バチバチバチッ＿＿＿＿＿と走る稲妻。

バッと両手を広げて、それを全力で反射させる。

『…っつー……いたた』

衝撃の反動でなんとか勢いを殺すと、ガサガサッと近くの木に突っ込んだ。

致命傷は避けられたものの、思い切り尻餅をついてしまいジンジンと痛む。

「あれ！？お前確か……」

「唯夜じゃん！なんでこんなとこに！？」

痛みに悶絶しながら座り込んでいたら、煙幕の中から気配が二つ。

その二人の顔を見て、記憶の中から名前を探し出した＿＿＿

『えと、拳藤さんと…てつてつてつ？』

「惜しいな、１コ多い」

「いやわざとだろ！？」

そうだ、鉄哲君だ。

よく見ると二人はガスマスクをしている。

このイレギュラーな煙幕に用意周到だなと思っていたら、拳藤さんが首を傾げた。

「もしかして今降ってきたのって…」

『うん、まあ……そのマスクはどうしたの？』

「八百万から貰ったんだよ。他にも配ってまわってるらしい」

『百ちゃんが…』

拳藤さんの言葉に、敵の数がどれだけいるのかはわからないが、今のところ百ちゃんは無事のようだ。

でも出久だって心配だし、分からないことが多すぎる。

ただ、わかるとするならば、狙われているのであろう自分と一緒にいるのは危険だ。

こっちに向かって飛ばして来たと言うことは、近くに他の敵……もしかしかたら死柄木がいるかもしれない。

早くこの場を離れた方が良い。

「てか、お前平気なのかよ？この煙幕」

『意識してれば反射できるから問題ないよ』

「便利だなそれ！」

心配してくれた鉄哲君にそう返すと、二人とは違う方向に視線を向ける。

上空から見た時、煙幕のあがるこの場所ともう一つ。

青い炎があがっている場所があった。

テレパスで触れていないことから、きっとワイプシは気付いていない。

あれを、なんとかしなければ＿＿＿＿＿

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