3日目 ページ41
「うるせえズケズケと！！出てけよ！！」
聞こえてきた洸太君の言葉は、出久を拒絶するものだった。
考え込んでいた思考を止めて二人の様子を見ると、カレーのお皿だけ置いて戻ってくる出久。
丁度、私がいる場所を出久が通り過ぎた時
「うるさい……どいつも…こいつも……」
そう呟く洸太君の声が聞こえた。
木に背を預けて、ぼーっと空を見上げる。
結局私はどちらにも声をかける事すら出来ず、しばらくしてから皆の元に戻った。
.
.
そして、三日目。
続・個性を伸ばす訓練。
『はぁ…っ……』
照りつける太陽に体力を奪われながら、本日も宜しくお願いしております、土魔獣さん。
結局昨日は出久に聞く事ができなかった。
とりあえず今はコレに集中しなくては。
＿＿＿＿そう、全く手加減なしだ。
一旦距離を取って、結ってある髪をスルリと解くと風に散って白銀が舞う。
それを高い位置で一つに纏め直した。
＿＿＿＿自分の事。
出久の事。
洸太君の事。
死柄木の事。
様々な感情や思考が交差する頭の中を、一度リセットさせる。
そして今朝、相澤先生から言われた言葉を思い出した。
"原点を常に意識しとけ"
自分の、原点＿＿＿＿＿＿＿
『＿＿＿＿っしゃ』
パチンッと自分に喝を入れて、再び土魔獣に向かった。
.
．
「ねこねこねこ…それより皆！今日の晩はねえ…
クラス対抗肝試しを決行するよ！しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある！
ザ！アメとムチ！」
途中、休憩を取っているとピクシーボブがそんな事を言い始る。
『…肝、試し』
「ああ、忘れてた！」
「怖いのマジやだぁ……」
「闇の狂宴…」
拳藤さんや響香ちゃん、常闇君がそれぞれの反応をするが、私はピクシーボブの言葉に固まってしまった。
肝試し、だと……？
「というわけで、今は全力で励むのだぁ！！」
「イエッサァ！！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿
そんなこんなで今日も訓練が終わる。
昨日よりも多少コントロールが出来るようになってきたが、結局今日も焦凍君にお世話になってしまった。
気にするなとは言ってくれるが、疲れているのに申し訳ない。
．
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作者名：noon | 作成日時：2020年10月7日 18時
