泡沫の記憶Ⅳ (ページ39)

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「さァ昨日言ったね"世話焼くのは今日だけ"って！」

「己で食う飯くらい己で作れ！カレー！！」

「「「イエッサ…」」」

嫌な予感ほど当たってしまうものである。

昨日過ぎった不吉な予感は、今この場で現実となった。

全員がぐったりとして、どんよりと返事をする。

「アハハハハ！全員全身ブッチブチ！！だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね！」

「確かに…災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも、救助の一環……」

そんな光景を見て楽しそうに笑うのはラグドール。

それに飯田君が顎に手を当てて考え込むと、何かに気付いたように言った。

「さすが雄英無駄がない！世界一旨いカレーを作ろう皆！！」

復活したかのように、そう高々と宣言する。

なんてポジティブなんだ。

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「轟ー！こっちも火ィちょーだい」

「爆豪、爆発で火ィつけれね？」

「つけれるわクソが！」

「ええ…！？」

「唯夜！こっちいけるか？」

わいわい、と。

なんだかんだ作り始めると皆で楽しくできるから不思議だ。

切島君に声を掛けられてそちらに向かうと、その隣では勝己が爆発でひとつ竈門を破壊している。

無事な方の竈門に手をかざして火を付けると「おー！ありがとな！」と言って笑った。

そして勝己の方に向き直り

「爆豪、これが正解だ」

「ぁあ！？」

『やめてお願い切島君、煽らないで』

「皆さん！人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ！」

カチ、と創造で出したチャッカマンで火を付けながら百ちゃんが言う。

……あれはあれで反則じゃないのか。

「いや、いいよ」

そう言って、先程三奈ちゃんに呼ばれた焦凍君が炎を出す。

「わー！ありがとー！！」

「燃えろー！！」

そしてそれで火を付けると、お茶子ちゃんがぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ねながらお礼を言い

三奈ちゃんは、ブンブンと拳を振っていた。

火を見つめる焦凍君がほんのりと笑っている。

それを見つけて、なんだか心がほっこりした。

.

「いただきまーす！」

「店とかで出たら微妙かもしれねーけど、この状況も相まってうめーーー！！！」

「言うな言うな、ヤボだな！」

出来上がったカレーは、なんだかいつもより美味しく感じた。