泡沫の記憶Ⅳ (ページ34)

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「壁とは超える為にある！！Plus Ultra！！」

「早！！」

「校訓を穢すんじゃないよ！！」

またか。

そう思って壁の方を見上げると、そこにいたのは

「ヒーロー以前にヒトのあれこれから学び直せ」

洸太君だった。

「クソガキィイイィイイ！！！？」

トンッと峰田君を押し返し、平和が守られた。

「やっぱり峰田ちゃんサイテーね」

「ありがと洸太くーん！」

『助かったよ～』

梅雨ちゃんがそう言い、三奈ちゃんが洸太君に向かって親指を立てる。

そしてそれに振り向いた洸太君が＿＿＿＿

「わっ……あ…」

落ちていった。

『え！？うそ、大丈夫？』

反対側の男子風呂の方に向かって声をあげると、出久から返事がきた。

無事にキャッチしてくれたらしい。

安心してお湯に浸かりなおすが、何やら冷気を感じる。

「やっぱ山ん中は涼しいねえ」

「てか、ちょっと寒くない！？さすがに夏だよ今」

「確かにそうですわね」

お茶子ちゃんがのほほんとそんな事を言うとすぐに透ちゃんが突っ込む。

百ちゃんも頷いているが、確かにちょっと寒いなあ…

なんて思っていたら、隣から爆発音もする。

「何やってんの、あいつら」

『賑やかだね』

呆れたように言う響香ちゃんに、首までお湯に浸かってのんびりと答えた。

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その後、お風呂を出てすぐにある共有スペースで、峰田君がぐったりとしていた。

なんか見た事ある光景だなと思い、近くにしゃがんで手を合わせる。

『峰田君、ご愁傷様』

「……また………アイツらが………！！」

そして、パタリと倒れた。

『それが峰田君の最後の言葉であった…』

「唯夜てめぇ少しは哀れめ…！！」

ガバッと起き上がる峰田君。

こうすると復活するよね、うん、知ってる。

ドヤ、としてみせると丁度他の女子たちがやってきた。

「あれ、なんかAちゃん今ドヤ顔しとった？」

『んーん、してないよ、お茶子ちゃん』

パッと顔を戻して、振り返る。

「部屋戻ろ～」と声を掛けられたので、立ち上がって皆に合流した。

ちらっと後ろを見ると、めちゃくちゃ何か言いたげな峰田君が見える。

…あ、目が合った。

くるりと視線を戻して、見なかったことにした。

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