泡沫の記憶Ⅳ (ページ28)

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林間合宿ページ28

「………とまあ、そんな事があって」

次の日の朝。

いつものように前に相澤先生が立っている。

「敵の動きを警戒し、例年使わせて頂いてる合宿所を急遽キャンセル……行き先は当日まで明かさない運びとなった」

「えーーーーーっ！！」

林間合宿のプリントを破りながら先生がそう言うと、クラス中から声が上がった。

「もう親に言っちゃってるよ」

「故にですわね。話が誰にどう伝わっているのか学校が把握できませんもの」

「合宿自体をキャンセルしねえの英断すぎんだろ！？」

話す瀬呂君と百ちゃんに峰田君がつっこむ。

「てめェ骨折してでも殺しとけよ」

出久に対してそう言う勝己に、透ちゃんが怒りながらフォローを入れていた。

「Aは大丈夫だったのか？」

『私？うん、まあ』

「今後は私がお守りしますわ」

『ありがと百ちゃん。でもそれじゃヒーローなれないからね』

「まあ、なんかあったら言えよ」

決意したような百ちゃんにゆるく突っ込むと、焦凍君がそんな言葉をかけてくれた。

なんだ皆優しすぎか。

……はいそこ勝己、舌打ちしない。

そんなこんなで終業式も終わり、濃密だった前期が幕を閉じた。

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そして、林間合宿当日。

「え？A組補習いるの？つまり赤点とった人がいるってこと！？ええ！？おかしくない！？おかしくない！？A組はB組よりずっと優秀なはずなのにぃ！？あれれれれえ！？」

＿＿＿＿トッ

「ごめんな」

『いえいえ』

ペコリと頭を軽く下げる。

出会い頭に例の如く煽り倒してきた物間君に、拳藤さんが手刀を入れて沈黙させたのだ。

ズルズルと引っ張っていく様子を見守って、今日も平和だなと思う。

「物間、怖」

「体育祭じゃなんやかんやあったけど、まァよろしくねA組」

「ん」

「よりどりみどりかよ……！！」

「おまえダメだぞそろそろ」

B組の女の子陣にヨダレを垂らす峰田君に切島君がつっこむ。

そんな光景を横目に見ながら、飯田君の指示に従ってバスに乗り込んだ。

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