泡沫の記憶Ⅳ (ページ22)

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「まあ、何はともあれ全員で行けて良かったね」

『良かった良かった』

「ほんとだよ～～…でも補習地獄」

学校終わり、そう言う尾白君に同意するように頷くと
後ろから三奈ちゃんにぎゅーっと抱きつかれた。

「はあ……Aの肌柔らかい～癒される～～」

「一週間の強化合宿か！」

「結構な大荷物になるね」

ぎゅうぎゅう締め付けられる私の隣で、飯田君と出久がそんな会話をしている。

色々足りないものありそうだなあ。

買い物行こう、とか思っていたら透ちゃんがみんなに提案した。

「あ、じゃあさ！明日休みだしテスト明けだし………ってことで、A組みんなで買い物行こうよ！」

「おお良い！何気にそういうの初じゃね！？」

「おい爆豪お前も来い！」

「行ってたまるかかったりィ」

「轟くんも行かない？」

「休日は見舞いだ」

「ノリが悪いよ空気読めやKY男共ォ！！」

「Aはー？行くよね！？」

わいわいしている中、後ろから三奈ちゃんにそう聞かれる。

『行こっかな。楽しそうだし』

「やったー！」

パッと両手を離し、よしよしと頭を撫でられた。

……苦しかった。

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「ってな感じでやってきました！
県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端！木椰区ショッピングモール！」

はい、やってきました私達です。

『あつい…』

上を見上げると太陽が燦々と輝いている。

　

もう夏だ。

集まったA組の皆を見ると、私服姿がなんだか新鮮だった。

私は白のシャツワンピースにスニーカー、日差しよけにキャップを被っているので、大分カジュアルだ。

百ちゃんなんかはお上品な感じですごく似合ってる。

それにしても人が多い。

休日のショッピングモールなんてこんなもんだろうが、久しぶり過ぎて人に酔いそうだ。

「お！アレ雄英生じゃん！？一年！？体育祭ウェーーイ！！」

謎のノリで声を掛けられたりもする。

「あれ！？稲妻の子じゃん！私服姿レア！」

「髪下ろすと雰囲気変わるね～」

ぼーっとしてたらいつの間にか知らない人が近くにいた。

「あーハイハイ、今日俺らと来てるんでスンマセン」

「事務所通してくださいねー」

切島君と上鳴君がそう言うと、その人達は何か言いながらも去って行ったのを見て峰田君がツッコんだ。

「マネージャーか」

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