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そうして、何事もないまま職場体験が進んでいった。
大きな事件も特に無い。
エンデヴァーから得られる情報も……特に無い。
それでも、合間にはサイドキックの方たちに稽古をつけてもらったりと、充実した時間になった。
そう思っていた、矢先__________
ドコォッ！！！！
『！！』
「なんだ！？」
街の一角から、大きな破壊音がした。
全員が、音のした方向に顔を向ける。
「事件だ！ついてこい！ヒーローというものを見せてやる！」
未だ黒煙のあがるその場所。
エンデヴァーのその掛け声に、走り出した。
向かっている途中、ブブ…とポケットに伝わる振動。
ケータイだ。
今はそんな場合じゃ無いと、前を行くエンデヴァーの背中を追うが
すぐ前を走る轟君が、ケータイを確認していた。
「ケータイじゃない俺を見ろ焦凍ォ！！」
ごもっともだ。
でも、ケータイ画面を見た轟君は何かに気づいた様子で、こちらに声を掛けた。
「緑谷からだ、お前にも来てるだろ」
『あ、ほんとだ』
確認すると、そこには位置情報だけ一括送信で送られてきている。
文面はない。
_____何かあったんだ、この場所で
轟君を見ると、もうそちらに向かうつもりだったのだろう、
お互いに黙ったまま頷いて、くるりと反転し走り出した。
「どこ行くんだ焦凍ォ！！！！」
コントか、と内心思っていたら「お前もだアイオライト！！」と突っ込まれる。
ついでか。
だがその際に、轟君が場所を伝えてくれている。
もし何かあれば、プロが駆けつけてくれるだろう。
「友だちがピンチかもしんねえ」
エンデヴァーと離れるのは名残惜しいが、あの緑谷君のことだ。
無茶する前には辿り着きたい。
ペコッとエンデヴァーに頭を下げ、轟君の後を追った。
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作者名：noon | 作成日時：2020年9月26日 13時
