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ピッ ピッ ピーーー
��試合終了！！��
��5-4でチームZの勝利！！��
そのアナウンスが入った瞬間の両チームの反応は様々だった。
最初は誰も信じられなかった勝利を掴み取ったチームZ
その奇跡を誰もが喜んでいる。
反対に
「俺が……負けた…！？俺たちが………」
初めて味わう敗北。
それに玲王は絶望していた。
俯く頭にバサリとタオルがかけられ、ゆらりと見上げればそこにいたのはAだった。
なんとなく目と鼻の頭が赤い…………それに気付きはしたが、今はそれよりも気持ちが沈んでいる。
『………ひどい顔』
「………お前もな」
憎まれ口に返す気力も無い。
そんな玲王に、Aが口を開いた。
『意味の無い負けなんて無い………挫折や敗北を乗り越えられなきゃ意味が無い。
キミらにはまだ次があるでしょ、玲王くん？』
初めて呼ばれた名前に驚いて顔を上げれば
そこにいるAは優しく笑っていた。
その綺麗な笑みに目を奪われる。
黙ったまま見上げていると、クイッと顎を動かして勝ち気に笑った。
『ほら』
「ねえ玲王……」
それを追いかけて視線を動かせば、ボールを持ったままの凪。
「本気で戦って負けるって……こんな気持ちなんだね…
悔しいや………」
その凪の目には、今までに無かった光が宿っていた。
「…………てかA」
『ん？』
「なんかあった？」
遠くを見ていた凪の視線がこちらに向く。
自然な動作で、いつぞやの時のようにそっと頬を包み込むように手を添えると、そのまま親指で目元をなぞった。
「…………泣いてる？」
「おい……マジでなんかあったのかよ…」
ぽつりと凪が呟けば、ハッとしたように玲王も立ち上がる。
それに対して、なんて事ないように首を振れば
頬に添えられた凪の手を引き離した。
そして、ゆっくりと人差し指を立てて
『内緒』
そう言ったAの表情はいつもとそんなに変わらないのに
何故だか物凄く目を奪われる………そんな雰囲気を醸し出していた。
．
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
