あの日手放したものをもう一度【ブルーロック】 (ページ4)

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潔side

「あー、最後に君たちをサポートしてくれるマネージャーを紹介する」

突然、話題が変わった事に一瞬呆気に取られた。

さっきまで＂鬼ごっこ"と称したゲームが繰り広げられ、自らの手であの吉良涼介を敗退させた________させてしまった。

その瞬間に感じた自分じゃないような感覚

生き残れたことの安心感

一人の未来を奪ってしまった罪悪感

そして高ぶる鼓動。

絵心が言葉を吐く度に、俺の中で昂っていくなにか。

そんなごちゃごちゃと感情が入り乱れる中、画面に目をやれば数人の女子が並んで映されていた。

女子がいる………なんて思いながらその自己紹介を聞いてると

「花咲唯ですっ。マネージャー業は不慣れですが精一杯頑張りますのでよろしくお願いします！」

その明るい声に周りから喜びの声が上がった。

その子は顎下くらいの明るい色のボブで、桜色の目をしてる。

加えて人懐っこそうに笑っていて、とにかく印象がいい。

そんな子が自分達のサポートをしてくれるなんて、と思えば少なからず嬉しさが込み上げる。

でも、その次の黒髪の女子。

花咲って子とは真逆の落ち着いてておとなしそうなそんな印象の子が

『朔夜Aです。よろしく…………してくれなくていいです』

なんて言うから、思わずぎょっとした。

それは全員が思ったようで、さっきまでの空気から一転してざわついている。

だがそんな空気をものともせず、彼女は言う。

『代わりに、私に最高の景色を見せてください』

ドクン、と心臓が鳴った。

あまりにも、画面越しに笑う彼女の言葉と表情は貪欲で。

まるでここにいる人全てを煽るように、笑っている。

光の反射で眼鏡の奥に見えた空色の瞳。

それが恐ろしい程に綺麗で、途端にぞくりと背中に何かが這う感覚。

_________これは、高揚だ。

絵心の言葉を聞いていた時のような、またはそれ以上の。

物凄く掻き立てられる。

馴れ合いはしないけど、彼女は俺たちに深く何かを望んでいる。

ならば、やってやろうじゃないか。

そう決意すれば、無意識に拳を握りしめていた。

「でも、よろしくはした方が良いんじゃねえの……？」