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首の皮一枚、繋がった。
千切の覚醒に喜ぶチームZを見ながら、Aも未だドキドキする鼓動を落ち着かせる。
やはりこうでなくては。
ゴールが決まるあの瞬間は、最高にワクワクする。
……だがそれと同時に、自分の左足が痛む……そんな気がする。
もう既に痛みは消えているはずなのに。
まるで��お前には無理だ��と現実を突きつけるかのように。
そんなのは、自分自身が1番よくわかっている。
「……A、大丈夫？」
さっきまであんなに気持ちが高揚していたのに、今はガクンと落ちるとこまで落ちている。
なんならその前まで最高にイライラしていたし、なんだろ情緒不安定か、と自虐する。
『ありがと結、大丈_________』
大丈夫と言おうした瞬間
視界に入った光景に、気がつけばAは体が動いていた。
．
ドンッと一際響く鈍い音。
「A！！」と叫ぶ結の悲痛な声。
それに気がついた潔たちが見たもの_________
それは、倒れた久遠を庇うように膝をつくAの姿だった。
「さ、朔夜……！？」
「マネージャー！？？」
『……………おい、ふざけんなよ』
両手でガードしていたようだが、当たりどころが悪かったのか
俯くその頬が赤く腫れている。
庇われたと理解した久遠は勿論、危害を加えてしまった鰐間自身もそれに動揺する。
『私からしてみれば……』
衝撃でずれたのであろう眼鏡が、ガシャ、と音を立てて地面に落ちた。
『こいつの提案に乗ったアンタらもゴミなんだよ』
顔を上げれば、はっきりと見える空色。
そのガラス玉の様な瞳には静かに怒りが湧いていて
一瞬、思わずそれに誰もが息を呑んだ。
「…………っざけんな！関係ねぇだろ！！」
「やめろお前ら！！」
「ああ！？なんだオラぶっ殺すぞ！」
「やめろ、それ以上手ぇ出すな」
止めに入った潔の胸ぐらを鰐間が掴む。
そしてその腕を國神が掴んだ。
「自分たちが何したか分かってる？」
蜂楽の指す視線の先には、結に支えられているA。
「………ねえ？」
念を押すようなその低い声に、ついに全員が黙った。
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
