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「あ！豹馬くん！」
國神に続き「おはよー！」と挨拶する結に、「はよ」と軽く返す千切。
という事で、Aはしれっと聞こえなかったフリをした。
『潔くんおはよ』
「お、おう。おはよ、今日は早いんだな」
「おい無視かよ」
「あれぇ、千切んなんかしたのー？」
ちょうど良いタイミングで現れた潔に体ごと振り返って挨拶。
すると完全に千切を視界からシャットアウトする事に成功。
天才か。
後ろでは蜂楽にからかわれてる千切の不機嫌そうな声。
無駄に巻き込まれてしまった潔はおそらく昨日の出来事を知っているのだろう。
戸惑ったようにAと千切を交互に見ていた。
「結ちゃんおっはよー！」
「今日も早いんだな」
「花咲ちゃん今日もかわいいね！」
「わ、みんなおはよー！」
ぞろぞろやってきたチームZの皆に笑顔を向ける結。
側から見れば五十嵐や今村あたりなんかは結の事を相当気に入ってるようだ。
感情が透けて見える。
わいわいと話し始める結達を横目に、今のうちにこっそり抜け出そうと一歩足を引く。
そして音もなく身を反転させて歩き出そうとした瞬間
「あ、A」
と控えめに潔に手を引かれた。
「今日も……その、見ててくれ」
『もちろん、毎回見てるよ』
周りに聞こえないような小さい声でそう言う潔に
当たり前のように返事をすれば、��そうじゃない��とでも言うような顔をされる。
だがそんなの気にする事なく、Aは先にフィールドに入っていった。
それを少し離れたところから見ていたのは結。
「……ねえ、Aとなんかあった？」
「わっ……！？」
内緒話をするように、潔の耳元に手を当てて言えばあからさまに動揺した。
「い、いや、なんでもないけど
…………ていうか、花咲とAってなんでそんな仲良いんだ？」
「馬鹿だな潔！そんなん結ちゃんが優しいからに決まってんだろ！」
「あ、でも俺も思ったよ。Aって花咲ちゃんと話す時だけなんか雰囲気違うよね」
蜂楽の言葉に思い当たる節があるらしい、何人かがそれに頷く。
「あれぇ、言ってなかったっけ？」
それに対して、考えるように人差し指を口元に当てて
少しだけ首を傾げた。
．
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
