あの日手放したものをもう一度【ブルーロック】 (ページ20)

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チームZの初勝利を祝した祝勝会を行い

皆が寝てる時間になっても潔の目は完全に冴えていた。

自分が決めたゴールで勝った。

自分がチームYを潰した。

今まで感じた事のない気持ちよさ。

そして

_________＂お疲れ様、潔くん＂

初めて呼ばれた名前と

_________＂最高にエゴい顔してた＂

しっかりと視線を合わせて、挑戦的に笑うA。

そのあまりの綺麗さに目が離せなかった。

「(なんなんだろうあの感じ………！？
しかも咄嗟に下の名前呼び捨てしちゃったしもしかして俺ってキモい？
それに気持ちいいとか思っちゃう俺って…性格悪いかな？ヤバイかな……)」

悶々と考えながら潔がやって来たのはモニタールーム。

武器を磨くため、自分の映像を見直して研究しようと思って訪れた先には、先客がいた_________

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『これで最後……』

選手たちが寝静まったであろう時間に、Aは最後の仕事を終えて部屋へ戻ろうとしていた。

ちなみに、どうしていつもこんな遅い時間まで働いているのかというと

マネージャー業務は勿論、運動経験すら無い結に負担をかけさせない為に、Aが仕事を肩代わりしていたからだ。

体力には自信があった為、できるだけフォローしようというAの気遣いでもある。

「右膝前十字靭帯断裂。一年前、俺はゲガをした……」

たまたま通りかかった部屋の前。

聞こえて来た聞き慣れた言葉に、胸がドクンと音を立てた。

『(………千切くん、か…？)』

バクバクと煩い心臓を落ち着かせながら、その声に自然と耳を澄ましてしまう。

声の主は千切だった。

「俺は夢を諦める理由を探しに＂青い監獄(ブルーロック)＂に来た。
潔、お前のゴールを見て俺は諦められる気がするよ」

「嘘つけ千切、ヒトのせいにすんなよ………
本当は諦めたくないんだろ………？」

どうやら潔と一緒にいたらしい。

千切の声が近づいてくる気配がして、ここにいてはいけないと頭が警鐘を鳴らす。

でも…………体が動かない。