あの日手放したものをもう一度【ブルーロック】 (ページ17)

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第三試合チームW vs チームXの結果は

4-1でチームWが勝利を収めた。

そして続く第四試合はチームZ vs チームY

1戦目を落としている両チームにはもう後がない。

負けた方が＂青い監獄(ブルーロック)＂を去る事になる。

そのせいか、前の試合に比べてピリピリとした空気が辺りに漂っていた。

「ねぇA」

『ん？』

隣に立つ結が声を掛けると、視線だけ動かしてAが答える。

この空気感の中だからか、その声はいつもの明るい感じでは無く、落ち着いていて少しトーンが抑えられていた。

「ここに来て……楽しい？」

『………そうだね』

まさに今、目の前で繰り広げられる戦いは

得点王を除いた10人の未来が潰される事になる。

たかがサッカー、たかがスポーツでは終われない。

その人の人生がかかっているのだ。

そんな残酷な世界でしか、世界一は生まれない。

だからこそ

『ワクワクしてる』

「…………そっか」

「」

そう言って何かを呟いた結の声は、試合開始のホイッスルで掻き消された。

「始まったね！」

『え、うん』

何か言った、気がする。

そう思って結の方を振り返ったAに、笑顔を向ける結。

いつも通りの笑顔…………だがAはそれに少し違和感を覚えた。

．

試合はチームZが攻め、それをチームYが守る形で進行していく。

前回の反省を活かしたプレーがお互いにできてるようで、まるで動きが違う。

一見チームZが有利かと思われたが、何かを窺う様子のチームYにAは首を傾げた。

弧を描いたボールが二子の足元に渡った瞬間、それは起きた。

「やっと来たか、二子！」

「よろしくです、大川くん」

『やられたね、チームZ』

チームYの狙いはカウンターアタック。

それもパスを出された先にいるのは、熊本の得点王、大川響鬼。

そのシュートテクニックを持って、流れるように1点目が決まった。

その後もチームZはポジションを入れ替えながら攻めるが、反対にチームYは守りに入っている。

1-0

この状況を守り切れれば、チームYは良いのだ。