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「凪、お前こんなとこにいたのか！」
Aの態度に怪訝そうな顔をしながらも着いてきた先はランドリールームだった。
何故ランドリー？と考えた玲王だったが、中にいた人物を見てそう声を上げる。
そこにはご丁寧に頭をタオルで包まれ、更にはタオルケットを掛けられて寝ている凪がいたからだ。
「おーい」
『おぶって、って言ってましたよさっき』
「……もしかして自分じゃ無理だから俺を呼びに来たワケ？」
『です』
「そりゃ無理だよなぁ…」
こんな小柄な女子に、とAを見れば案の定無表情だったが
『風邪引くといけないんで』と言って顔を逸らされた。
「(……お？)」
何故かその反応が玲王には面白く見えて、わざとAの視界に入るよう首を傾ける。
そうすると今度は反対側を向くA。
もう一度同じように首を傾ければ、また反対側を向いてしまう。
……………方位磁石か。
「なんで逸らすんだよ」
『めんどくさ』
「お前は凪か」
ウンザリとした顔で見上げてくるA。
なんだ、ちゃんと顔見れんじゃん、と玲王が思えばため息をつかれた。
『さっさとお帰り』
「マジで可愛げねーなお前」
そう言いながら寝ている凪を背負う。
その際床に落ちたタオルを見て、��そういえば、コレやってくれたんだろうな��と思う。
きっと体調を崩さないように気遣ってくれたんだろう。
��髪くらい乾かせ��と悪態つくAを見れば、なんとなくそんな予想ができる。
「アンタ、思ったよりちゃんとマネージャーしてんのな」
口は悪いがな。
「サンキュ」と部屋を出たところで振り返れば、扉に手をかけたAと目が合う。
そして、無言でパタンと閉められた。
「あいつ……！」
ヒクッと頬を引き攣らせてると、背中で凪が動く気配。
「……ん、あれ…お人形さんは……？」
「は、人形？っつか凪、あんなとこで寝てんなよな！」
「………んーレオだ……お人形さんはいなくなっちゃったのか」
「あーあのマネの事か？」
「うん、そう。人形みたいな顔してる」
「人形ねぇ……」
よくよく思い返せば、確かにそんな感じだった………気がする。
いや覚えてない。
それよりも、玲王は自分に対してあんな態度を取れる女子がいる事の方が新鮮だった。
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作者名：noon | 作成日時：2023年4月21日 0時
