【刀剣乱舞】ふわりふわりと浮かりとて (ページ4)

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2病名:双生双死ページ4

加州と話をしてから二日が経過した頃、第二部隊が丁度遠征から帰還してきた。
木炭や玉鋼など、大量の資源を小脇に抱えながら意気揚々と帰ってくる様は、さほど疲れていないようにも見える。
その部隊の最後尾に、安定はいた。

「安定、お疲れさん。どうだ、遠征は楽しかったか？」

「あぁ、主。...楽しかったかって、楽しんで行くものじゃないと思うけど...。まぁ、それなりに資源は確保できたよ」

俺は袖を垂らしながら軽く手を挙げると、安定は愛想笑いを返し、ゆっくりとした足取りで俺に近付いてきた。丸石が音を立てながら、その足跡を残していく。その足取りが、何処か気だるげなのは気のせいだろうか。

「で、どうしたの？出迎えに来るなんて珍しいんじゃないかな、いつも縁側でぼんやりしてるのに」

「俺だって暇を貰ったっていいだろう、加州みたいなことを言わないでくれ。...まぁ、用と言ってもそんな長くかかることじゃないんだ」

何処か似たような雰囲気も同じことを口にすることも、双子と言われるのも無理はないと思う。そう言おうとするも、やはり加州と同じく、首を落とされる気がしたので止めた。

「遠征中何かおかしなことはなかったか？...なんか、傷が増えたり...ん、お洒落のこと考えたり...？」

嗚呼、やっぱり加州に自分で告げろと言うべきだったか。
安定はあっけらかんとした表情で此方を見つめている。どことなしかその表情は、俺を避けるような気味悪がるような感じがして。
安定は先程の表情と変わって困った表情をしながら頭をかくと、小さくﾎﾟﾂﾎﾟﾂと話し始めた。

「お洒落って言ったら清光でしょ、何か清光みたいなこと考えてるって思うと気持ち悪くてさ。...後、なんか身体重いし...」

どうやら自覚はあるらしい。それに、加州と同じ現象に付け足して身体に何か異常があるとすればそれまた奇怪な話だ。

「そうか、実をいうと加州も同じことを言っていたんだ。コレは何だと聞かれたが、どうも俺には検討がつかんのでな。だから引き止めたんだが...」

安定はやや不機嫌そうに眉を寄せるので、八つ当たりはしてくれるな、とだけ口にした。

「分かってる...、でもさ、このままっていうのも嫌だからどうにか解決して欲しいなぁ」

俺任せか。
そう思いつつも俺はしょうがない、とだけ口にした。

安定と共に砂利道を歩いていると、鎖が擦れるような音が聞こえたが、この本丸には鎖はないので幻聴だと気にしなかった。