■４１■ ページ43
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開け放しにされた部室のドア。その陰に隠れるように、真田は足を止めた。
｢うん……いきなり言われてもな。｣
｢なら逆に聞きますが、どうしてAさんがレギュラーになれないんですか！？｣
｢ちょ、ちょ……僕のことならいいってば、何を言い出すんだよ…… ｣
どうやらAもそこにいるようだった。続いて、幸村と違った聞きなれた声が流れ込む。
｢……雲井、それはお前がこいつに頼んでいっているのか？｣
｢はあ！？そんなせこいことしないって！｣
(……蓮二もいるのか。)
真田がそこにいることなど露知らず、後輩はまた続けた。
｢だっておかしいじゃないですか！Aさんは、あの副部長を倒したんですよ！？｣
｢だからって……これ以上レギュラーを増やすわけにもいかないだろう？｣
｢だったら、副部長を外せばいいじゃないですか！Aさんに負けたんですよ！？｣
｢おい！何を言い出すんだお前は！｣
｢蓮二どうどうどう……ありがと、君の気持ちは嬉しいけど僕はレギュラーになれなくったって構わないよ。｣
｢Aさん、でも……！っ……部長！思い出してください立海の掟を！常勝が掟なんでしょう！？｣
｢……うん、まあ……それは……｣
｢ならなんでわざわざ弱い人をレギュラーに置いとく必要があるんですか！？｣
｢……｣
その後、幸村の声の代わりに柳の言い争う声が流れてきた。
滅多に聞かない、柳の怒鳴る声。反抗する後輩の声。それを抑える、Aの声。
ただそれを、真田は黙って聞いていた。……そして。しばらくしてやっと、ごちゃまぜになった声を遮るように幸村の声が、響く。
｢……そうだね。君がそんなに言うなら、１度やってみるかい？｣
｢……！？｣
(……ゆき、むら……！？)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年9月10日 3時
