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「……で、連れてきたというわけかい。」
テニス部部室。Aにうまく言いくるめられ、丸井と仁王が連れてきた彼を前に、幸村はそう言った。
「というわけでさ、部長さん。僕の入部、もちろん許可してくれるよね?」
「誰に向かってそういう口きいてるのかわかってるのかな。えっと、雲井だっけ?」
「そんな顔しないでくれよー!まあでもさっきのはちょっと偉そうだったか。」
「……ちょっと待ってもらえるかな。」
Aを待機させ、真田と柳を引き連れ幸村は少しだけAと距離を置いた。
「さて、どうしようか。俺はあまり入れたくないんだけど。」
「俺も同感だ。何だあの態度は……ふざけているのか?」
「雲井A……か。一応データはあるぞ。星ノ上中の元テニス部員だ……去年、県大会で先輩と戦っている。」
「へえ……よく覚えてるね蓮二。」
「まあな。戦力にはなる人間だが……あまり入部させるのはオススメしない。」
「じゃあ全員入部反対ってことで。」
幸村はそう言って、三強間で一致した意見をAに伝えにいったのだった。
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年9月10日 3時