DEAD EMPEROR 【真田弦一郎/男主】 (ページ39)

今日:33 hit、昨日:2 hit、合計:36,901 hit

■３７■ ページ39

.

.

｢柳先輩助けてくださいよー！｣

素早く席を立った切原が柳に駆け寄る。切原に言い寄られては、冷たく立ち去るわけにも行かない。

｢……なんだ赤也。お前には雲井くらいがちょうどいいんじゃないのか。｣

｢そのA先輩がスパルタだから逃げてきたんす！｣

｢ごらあ逃げるな赤也！｣

｢ぎゃー！｣

さっと柳の後ろに回り込んだ切原に、Aは呆れ顔で口を開いた。

｢あのなあ赤也、嫌だからって逃げてちゃまーた補習くらうんだぞ？｣

｢やだ！俺柳先輩に教えてもらうし！｣

｢誰も教えるとは言っていないが……｣

｢はあ……お前なあ……なあ、参謀さん。よかったらちょっと手伝ってくんねえ？僕だけだとこいつ絶対逃げるし……｣

｢え……｣

｢頼む！このとーり！｣

両手を合わせ、頼み込むAを前に立ち尽くす。

ここで断れば、不審に思われるだろうか。いや、それにしても切原が自分を離してくれるとは思わない。

本当は、関わりたくない。でも。

｢……仕方が無いな。｣

一度だけならば、平気だろう。