DEAD EMPEROR 【真田弦一郎/男主】 (ページ35)

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■３３■ ページ35

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｢見舞い……？｣

｢そ！……って、なんで笑ってんだよー。｣

｢ん……いや、ごめんね。病院なんて、君に似合わないと思って。｣

｢よく言われるよ……さっきもそいつに言われたばっかで。｣

｢はは……ところで、その友達ってどうして入院しているんだい？｣

｢事故ったんだってさ。それだけならよかったんだけど……｣

ほんの一瞬、Aが口ごもる。少しの間を置いて、Aは躊躇うように幸村に口を開いた。

｢……そいつさ。僕と同じテニス部でさ。……なのに、今回の事故でひどい怪我して。リハビリ次第らしいんだけど、もしかしたら出来なくなるかもしれないって……テニス。｣

(……！)

何故だか、Aの友人だという人物に自分の姿が重なった。

ほんの少し俯いた幸村の横で、Aはまた続ける。

｢すげー気落ちしててさ、あいつ。……いつか大会で戦おうって約束してたんだ。……多分本人が一番ショックなんだろうけど、周りもショックになるもんなんだよな。どうにかしてやりたいけど、僕にはどうにも……｣

｢……｣

すると、看護師が幸村の名を呼んだ。それを聞くと、Aはすっと幸村の隣から立ち上がったのだった。

｢……と、僕もう行くわー。じゃ、また学校で！部長さん！｣

そう言って、Aは病院を去っていったのだった。