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■３１■ ページ33
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三日も経つと、Aはテニス部の中でも人気の高い人物になっていた。
あの真田を倒したにも関わらず、そのことを誇示せずに新人として地道に一年生に混ざって練習する、その謙虚さがいい、だとか。
ちょっとしたおいたをした時でも、笑って見逃してくれた、だとか。
休憩時間にふとしたことで空気を明るくしてくれた、だとか。
部員たちがAを親しむ要素は、たくさんあった。
鞭ばかりで、軍隊的な雰囲気である立海テニス部にとって、Aは奇異的で、且つ飴のような存在であったのだろう。
それが故か、はたまたAの本性をわかっていたからか。三強の三人は、Aにいい印象を抱かなかった。
どれほど部員たちに好かれようが、真田を倒したことで実力を見せようが、彼らは頑なとしてAをレギュラー入りさせることを望まなかった。
しかしやがて彼らにも、Aはゆっくりと手を伸ばしていく。
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年9月10日 3時
