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目には見えない、触れることもできないAの｢武器｣が、次々と真田に突き刺さる。
Aの声が、言葉が、真田を蝕み、動けなくさせた。
そうして。
｢ゲームアンドマッチ、雲井！7-5！｣
わあ、と上がる歓声に、Aは大袈裟に飛び跳ね、喜んでみせた。
対する真田は。
｢……｣
｢副部長さん、なにしてんの？ほら握手握手。｣
｢……｣
憔悴しきったような顔で、ネットに歩み寄る。
そんな彼に、Aはまた、｢武器｣を向けた。
｢……聞いたよ。副部長さんって、皇帝って呼ばれてるんでしょ？｣
でも、とAは真田の手をぎゅっと握り、こちらに近づけた。
｢知ってる？支持をなくした皇帝は皇帝じゃない。……独裁者、っていうんだよ、そういうの。嫌われ者の、独裁者。｣
｢……！？｣
｢お前はただの独裁者だ。真田弦一郎。｣
一際低い、恐ろしげな音を立てて。
その｢武器｣は、真田の体の奥深くへと突き刺さっていったのだった。
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年9月10日 3時
