DEAD EMPEROR 【真田弦一郎/男主】 (ページ21)

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｢あーっ！A先輩！｣

練習中。響いた切原の声に、思わず柳の肩が震えた。

よっ、と切原に笑いかけて、Aはフェンスの向こうで手を振る。そんな彼の元に、レギュラーたちは集まっていった。

｢Aじゃんかよ、何してんだよぃ？｣

｢ちょっとねー。見学？｣

｢そういやお前さん、元テニス部じゃったな。｣

｢え、そうなんすか！？じゃあA先輩なんで入部してないんすかー！絶対A先輩いたら楽しいのに……｣

｢それが笑えることに、こいつ幸村に嫌われとるんじゃ。幸村に拒否されたらそりゃあ諦めるしかないのう……｣

｢なんだよ雅治、他人事みたいに……嫌われた方は嫌われた方でつれえんだからな！｣

｢プリッ｣

｢やめておきなさい、仁王くん。雲井くんだって入りたくても入れてもらえないんですから……｣

｢比呂ぉーお前ほんといい奴だな！｣

｢……っ……｣

その様子を遠くから見る柳は、一人ジャージを握り締め、唇を噛んでいた。

そんな彼の後ろから、近づく影が二つ。

｢蓮二。何を見ているんだい。｣

｢……精市……弦一郎……｣

｢ん。……あれは……雲井？……また来たのか。｣

｢まったく、あいつらも練習をさぼって……たるんどるな、一言言ってくる。｣

そう言って真田は、話し込む五人の元へと赴いた。