DEAD EMPEROR 【真田弦一郎/男主】 (ページ3)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:36,876 hit

■１■ ページ3

.

.

｢星ノ上中学校からやってきました、雲井Aといいます。よろしくお願いします。｣

新学期も始まり、間もない頃。立海に、一人の転校生がやってきた。

なかなか整った顔立ちをし、余裕たっぷりな独特の笑い方をする彼。雲井A。

3-Bにやってきた彼に真っ先に目をつけたのは、仁王だった。

｢……｣

｢……お、どうしたんだよ仁王。珍しくさぼんねえのかよぃ？｣

｢……まあの。｣

Aは軽く挨拶をすますと、仁王の近くの席に座った。

すると、仁王が声をかけるより先に、彼はにぱっと笑って話を始めたのだった。

｢やあやあ、ここが僕の席か！周りのみんな、よろしく頼むよ！……あれ、君面白い髪型をしてるね？名前なんていうんだい？僕は……あ、聞いてたよね。雲井Aだよ。気軽にAって呼んでくれ！｣

｢……お、俺んことか？｣

｢そうだよ、君以外に誰がいるんだい銀髪くん！｣

(……変な奴……)

｢仁王雅治じゃ。｣

｢ん、よろしくな雅治！｣

(いきなり呼び捨て……！？なんなんじゃこいつは……)

｢おーい雲井！おしゃべりなのはいいが、続きは授業が終わってからにしろよ！｣

｢あっすいませーん先生！｣

愉快な転校生に、どっと教室中に笑いが起こる。

不思議な彼に、仁王は訳がわからないという顔をするばかりだった。